フィジカルAI
おちつきAIラジオでは、フィジカルAIはまだ断定的に定義された概念というより、「これから」の話題として立ち上がりつつあるものとして語られていた。番組内では、AIエージェントの流行の次のように書かれている、あるいはその流れの先にあるかもしれないものとして触れられ、今後も冷静に追っていく対象とされた。その後 ep.32 では、しぶちょーがフィジカルAIという言葉の広がり方そのものに警鐘を鳴らし、期待感と危機感の両面から踏み込んで語っている。さらに ep.60 では、身体を持つことの優位と、将来のアンドロイドの実現について語られた。
番組での初出の語られ方
ep.7「OpenAI DevDay/Gemini at Work/Opal/MCP開発入門/フィジカルAI」では、フィジカルAIという言葉について、「みんな言ってる」と受け止めつつ、それが驚くべきものなのかを確認するような会話があった。発話の中では「フィジカルAI出てたんじゃないかな」「結構そのこれからって感じ」「これからのところにいた気がする」と、まだ確定的な評価ではなく、今後来そうな領域として保留を残して語られていた。また、AIエージェントの流行の次のような文脈で書かれている、とも話されていた。該当箇所を聴く
この時点での番組内の扱いは、フィジカルAIを明確な結論として紹介するというより、現実世界にAIを落とし込む方向の話題が今後強まるかもしれない、という感触を共有するものだった。該当箇所を聴く
追い方の方針
同じ回の後半では、フィジカルAI関連の話題について「ちょっと冷静に見つつ」、定期的に収集していこうという方針が示された。加熱している話題ではあるものの、番組としてはすぐに断定せず、継続的に観察していく対象として位置づけられていた。該当箇所を聴く
言葉としての広がりと「期待感」
ep.32 では、しぶちょーがフィジカルAIという言葉について、「今日本が持ってるフィジカルAIに対する期待感を表してる言葉だな」と語った。国の表明に「それっぽいこと」が書いてあったことを受けての発言で、言葉そのものが今の日本の期待感を映していると整理している。該当箇所を聴く
しぶちょーは、国の表明のもう一つの柱が「ロボットとAIを組み合わせたフィジカルAI」だったと説明し、該当箇所を聴く 「今年は確実にフィジカルAIだっていう話が広がるだろう」と見通しを述べた。該当箇所を聴く 一方で、しばらくは「フィジカルAIが一人歩きするはず」とも話し、言葉だけが先行することへの警戒を残している。該当箇所を聴く
この国の動きは、ep.60 で語られた日本AI基盤モデル開発の話題ともつながっており、最終的に日本の製造業の強みを生かしたフィジカルAIにつなげることが目標として語られている。
言葉の定義のずれ
しぶちょーは、NVIDIAが当時言っていたフィジカルAIという文脈と、今使われているフィジカルAIの言葉はずれていると指摘した。今は「完全にAIのアウトプットを現実に出す」という、すごく広い意味でフィジカルAIと使われていると説明している。該当箇所を聴く
この広さゆえに、「AIで動いてるからフィジカルAIです」と言っても定義としては間違っていないため、言いたい放題になりやすいとしぶちょーは話した。該当箇所を聴く 具体例として、汚れを認識してそこだけ洗う、洗剤の量を適量に決めてくれる、といった見せ方の機能も「これフィジカルAIかって言われたらNO」だと述べている。該当箇所を聴く その上で、基盤モデルが関わって認識・行動のタスクをこなすもの以外は「あまりフィジカルAIと呼ばない」というのが自分の意見だと整理した。該当箇所を聴く
過熱への警鐘
しぶちょーは、今いろんな技術がごちゃごちゃになって「全部AIに見えちゃうから良くない」と語った。該当箇所を聴く そして、自分の言い方は過剰に聞こえるかもしれないが「過剰ではないと思ってて、結構危ないと思う」と述べ、危機感を明確にしている。該当箇所を聴く
ヒューマノイドが人間のように動くのを見て「フィジカルAIがすぐ来る」と考えるのは「非常に危険な状態」だとしぶちょーは話した。該当箇所を聴く 背景として、ロボットを簡単にAIで動かせると誤解している人が多いこと、該当箇所を聴く 物理的なものを動かすのは非常にリスクがあることを挙げている。該当箇所を聴く しぶちょーは、こうした取り組みは「趣味でやる分にはいい」が、すぐにロボットのプロダクトを生み出せるようなものではないと釘を刺した。該当箇所を聴く
さらにしぶちょーは、フィジカルAIはAIのウェブアプリケーション開発のスピード感でプロダクトを生み出せるものではなく、ここのギャップが、AI界隈でいろいろやっていてロボットに興味を持った人たちとは「だいぶ乖離がある」と話した。該当箇所を聴く 機械を取り扱うのは「倫理的な観点がとにかく必要」だとも強調している。該当箇所を聴く この過熱への警戒は、フィジカルAIの名のもとに製造業からお金を巻き上げるAI驚き屋への危機感とも地続きで語られていた。
製造業への期待と危機感
しぶちょーは、フィジカルAIは「期待感はあるが、製造業にとっては薬とも毒ともなり得る」と述べ、危機感を持っていると語った。該当箇所を聴く フィジカルAIは 製造業×AI の議論と強く結びつく形で、期待と警戒の両面から扱われている。
身体性と人間の優位
ep.60 では、しぶちょーが、フィジカルAIをめぐる現状認識として、身体がないとできないことがまだしばらく人間の方にアドバンテージがありそうだ、と語った。AIがどれだけ進化しても、体を伴うタスクの領域では当面は人間が優位を保てるという見方である。該当箇所を聴く
この「体がないとできないこと」での人間の優位という見方は、専門性そのものがLLMの進化で食われていくのではないかという専門性の淘汰の議論と対になる形で、身体性が人間に残る価値として語られている。
将来のアンドロイド像
一方で、同じ ep.60 でしぶちょーは、人間のように動くアンドロイドについて、20年経てば「もう全然ある」と述べ、長期的には人間同様に動くアンドロイドが余裕で存在すると見ていることを語った。当面は身体性で人間が優位だとしつつも、時間軸を長く取れば、フィジカルなAIが人間のように動く未来は十分にあり得る、という見通しが示されている。該当箇所を聴く
語られ方の変遷・矛盾
初出のep.7では、フィジカルAIについて「これからって感じ」「気がする」といった保留を含む語られ方で、後半でも「冷静に見つつ」収集していくという姿勢が示されていた。該当箇所を聴く 該当箇所を聴く
その後のep.32では、しぶちょーがより踏み込み、「過剰ではない、結構危ない」「非常に危険な状態」と、警鐘を鳴らす方向へ語り口が強まっている。該当箇所を聴く 該当箇所を聴く これは初出の「冷静に見つつ」という姿勢と矛盾するというより、観察を続けた結果として、言葉が一人歩きする危うさや誤解の広がりへの警戒が前面に出てきたものとして整理できる。該当箇所を聴く
さらに ep.60 では、当面は「体がないとできないこと」で人間にアドバンテージがあるとしつつ、該当箇所を聴く 20年という時間軸では人間のように動くアンドロイドが余裕で存在すると述べており、該当箇所を聴く すぐに来ることへの警戒と、長期では実現するという見通しが、短期と長期で使い分けられる形で語られている。
ここにも登場
出典エピソード
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